介護サービスをうまく利用する方法

2025年2月9日 2025年2月9日

山﨑理央

仕事と介護を両立するためのポイント

現代社会では、高齢化が進む中で家族が介護を担いながら仕事を続けるという状況がより一層身近な時代になります。
ビジネスパーソンが仕事と介護を両立するには、事前の準備や適切なサービスの利用が欠かせません。ここでは、ケアマネジャーの視点を交えながら、介護者が無理なく介護と仕事を両立させるために重要なポイントについて詳しく解説します。

介護者への支援とその本質

ケアマネジャーは、介護を受ける方の生活の質（QOL: Quality of Life）の向上を目指し、そのために必要な支援を提供します。また、介護者である家族のサポートも重要なんです。しかし、介護者へは直接的な支援を行うことは少なく、間接的な支援を通じて、負担軽減に繋がる仕組み中心になります。
これは保険を使う以上、被保険者であるご利用者を中心とした支援になるためです。

例えば、デイサービスを利用することで、介護者が日中の自由な時間を持つことができます。このように、介護サービスを適切に組み合わせることで、介護者が精神的・肉体的に休息を取れる環境を整えつつ、仕事と介護の両立を図ることが可能になります。

デイサービス利用での課題とその対応策

デイサービスは、介護者が仕事や休息の時間を確保するための非常に有効な選択肢です。しかし、その利用にはいくつかの課題が伴います。以下に、よくある課題とその対策を挙げます。

1. 契約や手続きの時間的な負担

デイサービスを利用するには、契約や体験利用など、事前準備が必要です。急な状況で「明日から利用したい」という希望があっても、すぐには対応できません。
対策:
早めの段階から介護保険の申請を進め、必要なサービスについて事前にリサーチを行いましょう。また、ケアマネジャーに相談することで、地域のデイサービスや空き状況についての最新情報を得ることができます。

2. デイサービスの環境が合わない可能性

利用者にとって、デイサービスの環境やスタッフとの相性は非常に重要です。体験利用を経て慎重に選ぶことが求められますが、体験利用自体が予約待ちになることも多々あります。私のケースでは体験利用も２週間先という場合がありました。また無理に利用を急ぐと、思っていたのとは違う、ご本人が馴染めないなどデイサービスに通うことを嫌がることも考えられます。
対策:
困ってから探し出すと介護者にも余裕がないため、やはり早めに利用に向けて相談することが必要になります。

3. 家族と介護サービスのタイムスケジュールのズレ

介護サービスは、その提供スケジュールが利用者や家族の希望に即応できない場合があります。急ぎの対応が難しいため、早期準備が不可欠です。
対策:
家族のタイムスケジュールに柔軟性を持たせつつ、インフォーマルな支援も視野に入れると良いでしょう。保険外サービス、自費サービスと言われることも多いですが、こちらは地域差があるためケアマネジャーへの相談が必要になります。ここで大切になるポイントは、サービスを目的とするのではなく、両立するための課題を解決するための手段としてサービスを活用することです。