介護とキャリアのあいだにあるもの〜転機に寄り添う支援〜

兵庫県で活動している 産業ケアマネの片岡です。

ふと立ち止まって、自分の働き方やこれからの人生を考える。
そんな“転機”は、誰にでも訪れるものです。

キャリアコンサルタントの勉強をしていて、この「転機」には“発達”と“出来事”の2つの視点があると学びました。

今日はこの考え方を、仕事と介護の両立というテーマに重ねて考えてみたいと思います!

学びの中で印象に残った「転機」の考え方

人のキャリアって、まっすぐに積み上がっていくように見えて、実はその途中で何度も“曲がり角”があります。

その曲がり角が「転機」。

転機は、内側からじわじわ変わっていく場合(=発達)と、外側から突然訪れる場合(=出来事)のこの2つの形があります。

「発達の視点」:時間の流れの中で訪れる変化

発達の視点から見るキャリアの転機は、いわば“人生の節目”のようなものです。
年齢や経験を重ねる中で、価値観を見直したり、次のステージを意識したりする時期が誰にでもあります。

たとえば40〜50代になると、
・これまで積み上げてきたキャリアをどう活かすか
・次世代にどう関わっていくか
・自分らしい働き方とは何か

といったテーマが自然と浮かび上がってきます。
それは「成長の途中にある変化」であり、誰にでも起こる“発達的な転機”です。

「出来事の視点」:外からやってくる転機

一方で、転機には「出来事の視点」もあります。
これは自分の意思とは関係なく、外から突然訪れる変化のこと。

たとえば、
・家族の介護が始まる
・職場環境が変わる
・健康状態に変化がある
など、思いがけない出来事がきっかけになることがあります。

介護はまさにこの「出来事の転機」です。
これまでの働き方や生活を見直さざるを得なくなり、「どう続けていこうか」と立ち止まるきっかけになります。

「出来事」と「発達」が重なるとき

特に50代以降は、この“出来事”と“発達”の転機が重なりやすい時期。
もともとキャリアの上でも「再構築」や「見直し」が起こる発達段階にある中で、親の介護などの出来事が重なると、負担感が大きくなりやすいのです。

いわゆる「中年の危機」や「50歳の過渡期」と呼ばれる時期に介護が始まるケース。
心身の変化、職場での役割の変化、家庭の変化…。
これらが一度に押し寄せることで、キャリアにも生活にも大きな影響が出てきます。

介護の支援に、キャリアの視点を添えて

だからこそ、仕事と介護の両立支援を考えるときには、介護の制度やサービスの知識だけでなく、
「その人が今どんな時期にいるのか」
「どんな変化の途中にいるのか」
を想像することも大切だと感じます。

介護の支援とは、人生の転機に寄り添う支援でもあります。
“出来事”としての介護に対応するだけでなく、その人の“発達”の流れの中でどう受け止めているのかを理解する。
その視点をそっと添えることで、より本人の力を活かせる支援につながるのではないでしょうか。

キャリアの学びを通して感じた、“介護支援”と“キャリア支援”の近さ。

介護という出来事に直面したときこそ、その人のこれまでの歩みや、これからのキャリアを一緒に見つめ直すチャンスでもあります。

両方の視点を行き来しながら、その人が自分らしく働き続けられるよう支援していきたい——
そんな想いを新たにしました。

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私、産業ケアマネ 片岡
主に兵庫県の企業様を対象に「仕事と介護の両立支援明石事務所」を運営しています。
社内セミナーや社内実態調査、介護に直面する従業員への個別面談などを通じて仕事と介護の両立を支援
社会問題「介護離職」の防止につなげます。
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投稿者プロフィール

片岡芳美
片岡芳美
産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 2期卒業生
介護業界21年
社会福祉士/介護支援専門員
仕事と介護の両立支援明石事務所 2024年11月開設