親が元気なうちに始めたい「人生会議(ACP)」
こんにちは!現役のケアマネジャーとして地域の高齢者支援に関わりながら、「仕事と介護の両立」をサポートする産業ケアマネをしている辻です。
今回は、最近よく耳にするようになった「ACP(人生会議)」についてお話ししたいと思います。
「ACP(人生会議)」ってなに?
ACPとは、将来の医療や介護について、自分の思いを家族や医療・介護の専門職と話し合い、共有しておくことを指します。
難しい言葉に聞こえますが、簡単に言えば「もしものとき、どうしたいかを考えて、信頼できる人と話しておくこと」。
たとえば、
- 「最期まで自宅で過ごしたい」
- 「延命治療はできるだけ控えたい」
- 「家族に迷惑をかけたくないけれど、一人では心配」
そんな“心の中にある想い”を言葉にしておくことがACPの第一歩です。ある日突然始まります
私がケアマネジャーとして関わってきたご家族の多くが口をそろえて言うのは、
「まさかこんなに急に介護が始まるなんて思っていませんでした」
という言葉です。
ある50代の女性は、元気だったお母様が転倒をきっかけに入院し、退院後に急に介護が必要になりました。
退院日までに「どんな生活を望むのか」「どこで過ごしたいのか」など話していなかったため、家族は慌てて施設を探すことに。
「もっと早く話しておけばよかった」と振り返っておられました。
元気なうちに話すことが「家族の支え」になります
ACPというと「人生の最期のことを考える、重い話」と思われがちですが、実際は「今を大切に生きるための話し合い」でもあります。
たとえば、
- これからどんな暮らしをしていきたいか
- どんな支援があると安心か
- 誰に相談したいか
こうした話を家族でしておくことで、いざという時にも家族が迷わずに動けます。
親の希望を聞いておくことは、家族の安心にもつながるのです。
今からできる3つの準備
1️⃣ 親の「今の思い」を聞く時間をつくる
普段の会話の中で「これからどうしていきたい?」とさりげなく聞いてみるだけでOKです。
2️⃣ 介護に関する情報を集めておく
地域包括支援センターや産業ケアマネに相談すると、どんな支援があるのか教えてもらえます。
3️⃣ 会社の介護支援制度を確認しておく
介護休業・介護休暇・在宅勤務制度など、仕事と介護を両立するための制度を早めに知っておくことが大切です。
おわりに
ACPは、特別な場で行うものではなく、家族の会話の延長線上にあるものです。
親が元気なうちに「これからの暮らし」について少しずつ話していくことで、介護が始まるときの不安をぐっと減らすことができます。
「まだ早い」と思うそのときが、実は話し始めるベストタイミングかもしれません。
私たち産業ケアマネは、社内でのセミナーを通して介護の基本知識をお伝えし、個別の介護相談もお受けしています。
「何から始めたらいいかわからない」と思ったときは、どうぞ気軽に相談してくださいね。
私は産業ケアマネとして、企業の経営者様及び人事担当者様、そして一般の方々を対象に介護セミナーを行っています。
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投稿者プロフィール

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産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 1期卒業生
ケアマネージャー歴 10年
社会福祉士
介護福祉士
保育士
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