親の介護がはじまる前に読んでほしい体験記の話

兵庫県で活動している 産業ケアマネ 片岡です。

今週、松浦晋也さんの著書、
『母さん、ごめん。50代独身男の介護奮闘記』を読みました。

タイトルの通り、著者が50代・独身という立場から、母親の介護に向き合う日々が赤裸々に綴られています。

この本は、介護保険制度や手続きの解説をするような実用書ではありませんが、体験記だからこそ伝わってくる、臨場感とリアリティがあります。
親の介護を通じて起きる戸惑い、怒り、葛藤。
それらを抱えながら、ひとつずつ積み重ねていく"息子"の姿が印象的でした。

一つの事例ではありますが、「もし自分だったら」と疑似体験をするには、非常に意味のある一冊です。
これから親の介護が始まるかもしれない人にとっては、心の準備に。
すでに経験した人にとっては、当時の記憶と向き合いながら、「私も同じだった」「自分はこうだった」と共感し、読み進めることでほっとできる時間になるかもしれません。

男性が主介護者になるということ

特に印象的だったのは、「男性が主介護者」の視点での体験記であること。
家族との生活そのものを"どう回すか”という部分にも、多くの困難があることが伝わってきました。

とくに、母親という異性の介護であることは、身体的にも精神的にもより複雑さを伴う――
そのリアルな描写も、本書の大きな読みどころだと感じました。

誰でもできる「介護の準備」とは?

本の内容から少し離れますが、私が以前より感じているのは「誰でもできる介護準備」として、“生活スキル”を身につけておくことの大切さです。

料理、掃除、洗濯、買い物、病院の付き添いなど、介護に必要なことの多くは、“暮らし”の延長線上にあります。
いざ介護が始まったとき、生活の土台を整える力があれば、介護する人自身の負担も大きく変わるはずです。

介護計画を立てる際、「家事が分からない」という理由で、暮らしのどのタイミングで何が困るのかがさっぱり分からず、目を白黒させていたご家族の姿が思い出されました。

そして同時に、生活を組み立てた経験もないまま初めてケアマネとして介護計画を立てることになり「目を白黒させて」いた20代の頃の自分も思い出しました(汗)。

介護は、暮らしに向き合うこと

制度や知識も大切ですが、介護とは本質的に「暮らしに向き合うこと」。
だからこそ、こうした体験記に触れることは、机上の知識では得られない大切な視点を与えてくれます。

介護は突然始まることが多いからこそ、こういった"誰かの体験記"に触れておくことが未来の自分を助けるヒントになるかもしれません。

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投稿者プロフィール

片岡芳美
片岡芳美
産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 2期卒業生
介護業界21年
社会福祉士/介護支援専門員
仕事と介護の両立支援明石事務所 2024年11月開設