“両立”は孤独ではできない──仕事と介護で守るもの

NHK「日曜討論」に出演した川内潤氏は、「介護は家族だけで担うものではない」「プロの支援を取り入れながら、愛情を保つ関係を守ることが大切」と語っていました
仕事と介護を両立するには、ただ制度を使うだけではなく、“親の老い”を受け入れる心構えと、支え合う仕組みが必要です。

「介護はチームマネジメント」—自分一人で抱えない

「介護はチームマネジメント」が大切です。
すべてを家族だけで担おうとすると、疲弊してしまう。それよりも、介護の“役割”を分け、プロにも任せることで、家族は本来の役割である”愛情をかける時間”に集中できます。

たとえば…

  • 通院はヘルパーさんに任せる
  • 家族は親との会話や思い出共有など“心をかけるケア”に専念する

この距離感が、親も家族も壊さない“良い関係”を保つ鍵です。

「自分が犠牲にならない介護」—生活やキャリアとのバランス

川内氏は『親不孝介護』という言葉で、自分を犠牲にしすぎないことを提唱しています 。
「親孝行の殻」に閉じこもり、生活や働き方まですべてを投げ出すと、家族関係も仕事も崩れてしまいます。

本当に親に贈るべきは、“介護しながらも自分らしく働く姿”です。
そのためには、

  • 家族も会社も巻き込んで支える仕組みをつくる
  • 介護は “自分がやる”から “みんなで支える”にする
    というマインドが必要です。

「まず会社と共有を」—“介護は突然ではなく備える”

会社にも早めに介護の可能性を伝えておくことが重要です。
話しづらくても、「いつも通院が増えてきて…」など“兆し”を伝えておくことで、会社側も支援体制を整えやすくなります。

早期に共有することで得られる効果

  • 介護休暇や柔軟な働き方の調整が可能に
  • 「相談できる」「帰りやすい職場」になる
  • 突然の休職・離職を防ぎ、キャリアを守る

“突然ではなく備えること”こそが離職防止につながります

まとめ

  • 介護は家族だけで抱えるものではなく、“チームで支える”仕組みが必要。
  • 自分を犠牲にしすぎず、生活とキャリアも守る“親不孝介護”の視点を持つ。
  • 兆しが出たら、職場と共有して支援体制を整える。備えは突然の介護から守ってくれる。

介護は“誰にでも訪れる人生の一場面”です。
家庭だけで抱え込むのではなく、会社や周囲と連携することでこそ、“両立”は可能になります。
産業ケアマネとして、あなたの“仕事と介護を守る一助”になれるよう、支え続けます。

投稿者プロフィール

後藤利英
後藤利英
大学卒業後、営業職・飲食業をへて介護業界へ。ホームヘルパー2級を取得後にグループホームでキャリアをスタート。
介護福祉士を取得し病院、ケアマネージャーを取得して老健・居宅支援事業所で働き、15年間の経験を元に、昨年7月株式会社介護屋ごとう、本年2月からはワントップパートナー札幌麻生店を設立。