親の介護は遠距離でもできる〜介護に備える5つのポイント〜
こんにちは産業ケアマネの辻です。
地方に両親を残して仕事をされている方、遠くに住む親が心配だけど、何を準備しておけばいい?
親の介護について心配されている方は多いと思います。
今回は、そんな方々に向けて、仕事と介護を両立する制度や、いざという時に慌てないためのヒントをお伝えします。
両親の近くに住んでいる方も、介護なんてまだまだ先と思っておられる方も参考になると思いますよ!
遠方に住んでいても、親の介護はできる?
地方に住む高齢の両親を思いながら、都市部で仕事に追われる毎日。
「元気にしてるかな」と時折連絡を取るものの、日々の忙しさに追われて、つい後回しになってしまう。
でもある日、突然の電話。「お母さんが倒れて…」「お父さんが入院して…」そんな連絡に、慌てて帰省した経験がある方も多いのではないでしょうか。
「自分は遠くに住んでいるし、どうしたらいいのか分からない」
そんな不安や戸惑いをお持ちの方は多いと思います。
果たして遠方に住んでいる親の介護は可能なのでしょうか
結論から言えば、できます。
ただし、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
まず大切なのは一人で抱え込まないことです。
介護は、家族だけで完結するものではありません。地域の介護サービスや専門職(ケアマネジャー、主治医など)と連携して、「チーム」で支えることが大切です。
また、遠方に住んでいるからこそ、「情報の見える化」や「連絡の仕組みづくり」が必要です。ケアマネジャーとの定期的な連絡や、訪問介護記録をオンラインで共有するなど、工夫次第で距離のハンデを補うことができます。
介護サービスの利用で「できること」は増える
親が要介護状態になった場合、まずは「要介護認定」を受けることが必要です。
これは市区町村の窓口で申請できます。もしくは地域包括支援センターに相談に行くと、申請を代行してもらえます。
認定を受けると、ケアマネジャーが本人の状態や生活環境をふまえた「ケアプラン(介護サービス計画)」を作成し、それに基づいたサービスの利用が可能になります。
利用できるサービスには、たとえば以下のようなものがあります。
- ヘルパーによる訪問介護(掃除、買い物、入浴介助など)
- デイサービス(通所による食事や入浴、レクリエーション)
- 訪問看護(健康管理、服薬管理)
- ショートステイ(一時的な宿泊介護)
特に遠方の家族にとって、こうした在宅サービスは強い味方になります。
そして、ケアマネジャーに「離れて暮らしている」と正直に伝えることで、見守り体制や緊急連絡の仕組みも含めた支援が受けられるようになります。
仕事と介護を両立するための制度を知っておく
「親の介護がはじまったら、仕事を辞めなければならないのでは」と不安に思う方も多いですが、実は職場には介護との両立を支援する制度があります。
代表的なものは以下の通りです。
- 介護休業:最大93日間、家族の介護のために仕事を休める制度(無給ですが、雇用保険から介護休業給付金が支給されます)
- 介護休暇:年5日まで(対象家族が2人以上なら10日まで)、1日単位・半日単位で取得可能
- 時短勤務やフレックスタイム制度:企業によっては柔軟な働き方ができる仕組みがあります
まずは自分の職場の就業規則や人事部門に確認し、使える制度を把握しておくことが大切です。
制度を使うことに遠慮を感じる方もいますが、自分が無理をして倒れてしまっては本末転倒です。
制度は「活用するためにある」と考えてください。
親が元気なうちに「備える」ことが最も大切
最も重要なのは、「いざという時」の前に、できることをしておくことです。
特に次のような準備は、早ければ早いほどスムーズです。
- 親と将来について話しておく
「もし介護が必要になったらどうしたい?」「施設に入ることはどう思う?」など、希望や価値観を確認しておくことで、いざという時の判断に迷いません。
他に兄弟がいる場合は、兄弟も含めて話し合っておくとよりスムーズです。 - 必要な情報を整理しておく
かかりつけ医、持病、服薬状況、保険証の場所、預貯金・年金情報、成年後見制度や任意後見契約など、いざという時に困らないよう情報を共有しておきましょう。
特に、親のお金のことは話しにくいという方は多いと思いますが、時間をかけて丁寧に話し合っていきましょう。 - 地元の社会資源を把握しておく
親の住む地域の地域包括支援センターや介護保険窓口の連絡先を控えておくと、緊急時にすぐ相談できます。
離れていても「できること」はある
物理的な距離は、確かに介護にとってハードルになることがあります。
でも、今はオンライン連絡や見守り機器など、技術の進化によって「できること」は増えています。
そして何より、心の距離を近く保つことが、親にとっての安心につながります。
「何かあったら、すぐ連絡してね」
「困ったら、相談していいからね」
そんな一言が、何よりも支えになることもあるのです。
遠方でも、あなたにできることはたくさんあります。まずは今日、ひとつの行動から始めてみませんか?
私は産業ケアマネとして、企業の経営者及び人事担当の方々、そして一般の方を対象に介護セミナーを行っています。
ご興味のある方は、下記までお知らせください!
↓ ↓ ↓ ↓
cm.megumi0925@gmail.com
ポートフォリオとプロフィール
↓ ↓ ↓ ↓
https://note.com/cm_kinako/n/n1809272508c7
最期まで読んで頂きありがとうございました。
投稿者プロフィール

-
産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 1期卒業生
ケアマネージャー歴 10年
社会福祉士
介護福祉士
保育士
最新の投稿
お役立ち情報2025年5月13日親の介護は遠距離でもできる〜介護に備える5つのポイント〜
コラム2025年4月29日在宅介護に限界を感じたとき 〜介護する人もされる人も幸せになるために〜
コラム2025年4月22日男だって介護する時代に
コラム2025年4月9日介護休業は介護するための休みではない