在宅介護に限界を感じたとき 〜介護する人もされる人も幸せになるために〜


こんにちは、産業ケアマネの辻です。

今回は「在宅介護の限界」についてお伝えしたいと思います。

親の介護を在宅で一生懸命続けておられるご家族に、心から敬意を表したいと思います。
在宅で親を支える――それは、想像以上に大変なことです。

仕事や家事、育児と両立しながら、昼夜を問わず介護に向き合う毎日は、心身ともに大きな負担になります。


認知症が進行すると、介護はさらに大変に

特に、認知症という病気を患っておられる親御さんの介護は、介護する子どもさんにとって、精神的にも肉体的にも相当な負担となることが予想されます。

認知症の症状が進むにつれて、日常生活における様々な面でサポートが必要となるため、介護者の時間や労力が大きく割かれることになり、介護の難しさはどんどん増していきます。

そして、認知症により親御さんの様子がどんどん変わっていくことは、介護する子どもさんにとって大きな精神的ストレスになります。

例えば、これまで穏やかだった親御さんが、突然暴言を吐いたり、人格が変わったように怒り出したりすることがあります。
子どもである自分のことも忘れてしまって、子どものように言うことを聞いてくれなくなることも。

また、深夜に外に出てしまったり、家の中でもどこかへ行こうとする「徘徊」が始まると、目が離せず、介護する側は一瞬たりとも気を抜けない毎日になります。


「在宅」にこだわりすぎないでください

「家族なのだから、最後まで自宅で面倒を見なければ」と、必死で頑張る方も少なくありません。
しかし、心や体が限界を超えてしまったら――
そのとき、無理に在宅にこだわる必要はないのです。

施設に親を預けることに、罪悪感を覚える方も多いでしょう。
「自分は親不孝だ」
「見捨てるようで申し訳ない」
そんな思いに苛まれるかもしれません。

けれど、忘れないでください。
施設にお願いすることは、親を“手放す”ことではありません。
より良いケアを受けながら、親御さんとの「家族としての時間」を大切にするための選択肢のひとつなのです。

私は居宅のケアマネジャーとして、介護される人が出来るだけ住み慣れた自宅で安心して介護を受けられるように支援しています。

けれど同時に、在宅介護にも限界があり「在宅にこだわりすぎないこと」も大切だと考えています


家族にしかできない「支え方」がある

施設に入居しても、家族にできることはたくさんあります。
面会に行ったり、季節のイベントに参加したり、一緒に外出したり。
手を握る、笑顔を交わす、そっと背中をさする――
そんな小さなふれあいが、親御さんにとっては何よりの安心感になります。


介護するご家族が「介護の負担から解放され、安心して生活できること」が、結果的に親御さんの幸せにもつながります。

いつも疲れきった顔をしている子どもを見れば、親は心配します。
怒鳴ったり、泣きわめいたりする親自身も、どこかで「申し訳ない」と感じていることがあります。
家族が心身ともに健康でいることは、親御さんにとっても大きな安心なのです。



介護する人が幸せでいることが、介護されている人の幸せにつながります。

それこそが、家族にしかできない「支え方」なのではないでしょうか。


介護はひとりで抱えるものではない

どうか、ご自身を責めないでください。
どうか、自分を犠牲にしないでください。

介護は、ひとりで抱えるものではありません。
施設の力を借りること、専門職の支援を受けることは、決して「逃げ」ではないのです。
むしろ、それは「愛する人を大切に思うからこそ」の選択肢なのです。


親御さんを大切に思う気持ち。
家族を大切にしたいという願い。
その思いを一番大切にしながら、一緒に無理のない介護の形を考えていきましょう。

介護する人も、される人も。
どちらも笑顔でいられる介護を、私たちは目指しています。

私は産業ケアマネとして、企業の経営者及び人事担当の方々、そして一般の方を対象に介護セミナーを行っています。
ご興味のある方は、下記までお知らせください!
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cm.megumi0925@gmail.com

ポートフォリオとプロフィール
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https://note.com/cm_kinako/n/n1809272508c7

最後まで読んで頂きありがとうございました。

投稿者プロフィール

辻 恵
辻 恵
産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 1期卒業生
ケアマネージャー歴 10年
社会福祉士
介護福祉士
保育士