仕事×介護 両立の壁 ④ 〜”家族と話し合いがうまくいかない”の壁〜

兵庫県で活動している 産業ケアマネ 片岡です。

介護の話し合いがスムーズに進まない家庭、実は少なくありません。
親の希望ときょうだいの考えが食い違ったり、誰がどのように関わるかについての意見がまとまらなかったり――。
「家族だからこそ難しい」現実に直面する場面は、決して珍しくないのです。

では、なぜこうした“もめごと”が起きてしまうのでしょうか?
その背景には、家族ならではの関係性や感情のすれ違いがあります。

介護の話し合いで、なぜ家族はもめてしまうのか?

家族といっても、価値観や考え方はさまざまです。
「そろそろ介護が必要かも」と思っても、 親は「まだ大丈夫」と言う。
きょうだいは「もっと様子を見てから」と言う。

――そんな温度差から、動き出すタイミングを逃してしまったり、 誰がどう動くか決まらないまま、曖昧な状態が続いてしまったりする。

結果として、介護の準備が後手にまわり、いざというときに大きな負担が一人に集中してしまうこともあるのです。

誰がどれだけ負担するか――言い出せないし、決められない

「本当はもっと手伝ってほしいけど、言いにくい」 「自分ばかりが大変なのではと感じてつらい」 逆に「親族の誰かに負担を押し付けてしまっている気がしてしんどい」

――そんな思いを抱えながら、仕事も家庭も両立しようと頑張っている方がたくさんいます。

仕事を続けながらの介護が、精神的にも肉体的にも大きな負担になるのは、 こうした家族間の調整がうまくいかないケースが少なくないからです。

“感情”と“すれ違い”が話し合いを難しくする

介護の話し合いは、立場や感情、これまでの家族の関係が大きく影響します。

「迷惑をかけたくない」という親の遠慮、「自分ばかりが…」という不満、「誰かがやってくれるだろう」という思い込み——。
お互いに思いやりがあっても、話がかみ合わずすれ違ってしまうことも。
それは誰かが悪いのではなく、話し合う“方法”や“タイミング”が難しいからなのです。

家族間の調整が難しいままでは、誰か一人の限界を迎えるまで状況が動かないこともあります。
だからこそ、専門的な視点から状況を整理し話し合いを支える存在が必要なのです。

家族との話し合いがうまくいかないとき、どうすればいい?

産業ケアマネは、仕事を続けながら介護に関わるための“自分なりの道”を一緒に探す存在です。

仕事を続けたい気持ちがあっても、

  • 「介護をおろそかにしているのでは」という罪悪感
  • 「自分ばかりが負担している」という不満や孤独感
  • 「他の家族に押し付けてしまっているかもしれない」という葛藤

といった気持ちに揺さぶられ、前に進めなくなる方も少なくありません。

そんなとき、誰かに気持ちを整理してもらい、「自分はどうしたいのか」「どう動けば仕事を続けながら介護ができるのか」を具体的に考えることがとても重要です。

産業ケアマネの支援は、まさにこの“相談者本人の意思”に寄り添い、両立に向けた現実的な選択肢をともに探すところに価値があります。

・親のことが心配だけれど、仕事を辞めずに関わるには?
・家族の負担をどう調整できるか?
・自分の役割をどう明確にして、他のきょうだいと共有するか?

といった視点で考えると、感情的にこじれてしまった関係も少しずつ整理していけるかもしれません。

両立に必要なのは、“話し合える場”と“話せる相手”

介護は家族にとって大きな転機です。
だからこそ、話し合いがこじれてしまうのも、決しておかしなことではありません。

家族の問題は、正解がひとつではない。 でも、話し合える場や気持ちを整理できる相手がいれば、自分がどう動くかを見つけやすくなります。

そして、仕事と介護を両立するために大切なのは、「家族が協力してくれること」以上に、 「自分の働き方や関わり方を主体的に選べること」かもしれません。

「誰か一人が抱え込む介護」ではなく「みんなが少しずつ納得できる」介護へ。
そのための考える時間整える力を、産業ケアマネがともに支えます!

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私、産業ケアマネ 片岡
主に兵庫県の企業様を対象に「仕事と介護の両立支援明石事務所」を運営しています。
社内セミナーや社内実態調査、介護に直面する従業員への個別面談などを通じて仕事と介護の両立を支援
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投稿者プロフィール

片岡芳美
片岡芳美
産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 2期卒業生
介護業界21年
社会福祉士/介護支援専門員
仕事と介護の両立支援明石事務所 2024年11月開設