介護老人保健施設(老健)ってどんなところ?――在宅復帰をめざす“中間施設”

老健のメリット

介護老人保健施設、通称「老健」は、病院と自宅の中間にある施設です。
入院治療が終わり、すぐに在宅生活に戻るのが難しい方が、リハビリを受けながら生活できる場となっています。

  • 理学療法士や作業療法士、言語聴覚士によるリハビリが受けられる
  • 看護師・介護職員が24時間体制でケアをしてくれる
  • 医師も配置されており、健康管理や軽度の医療対応も可能
  • 「在宅復帰」を目標に、家族への介護指導や在宅準備をサポートしてくれる

👉 自宅に戻るためのステップとして利用できる点が大きなメリットです。

デメリットと向いている方の状況

老健にも注意すべき点があります。

  • 入居の基本は「在宅復帰をめざすこと」であり、長期入所は難しい(1つの目安として3~6か月)
  • 医療的ケアが多く必要な方(重度の褥瘡、回数の多い痰吸引など)は入所が困難な場合がある
  • 施設の雰囲気やリハビリの充実度は施設によって差がある

そのため、次のような方に適しています。

  • 入院後、体力や生活能力が落ちてしまい、そのまま自宅に戻るのが不安な方
  • 自宅に戻りたいが、介護の方法を家族も含めて準備したい方
  • 一時的にリハビリや介護支援を受けながら、生活の自立をめざしたい方

👉 つまり、「自宅復帰を目標にする方」に向いた施設です。

料金の目安と選び方のポイント

老健の料金は、介護保険の自己負担+居住費+食費が中心です。
自己負担は介護度や部屋の種類によって変わりますが、
月額でおよそ8万〜13万円程度が目安です(1割負担の場合)。

選ぶときのポイントは、

  • リハビリ体制(どれくらいの頻度・内容で受けられるか)
  • 在宅復帰に向けた家族支援(介護方法の指導や相談の体制)
  • 医療対応の範囲(持病への対応ができるかどうか)

を確認することです。施設によって特色が大きく異なるため、見学や相談は必須です。

まとめ

介護老人保健施設(老健)は、「病院と自宅の間をつなぐリハビリ施設」です。
在宅復帰をめざす方にとっては心強い選択肢ですが、長期的な生活の場ではないという点に注意が必要です。

「もう少しリハビリをしてから自宅に戻りたい」
「家族も介護の準備を整えたい」

そんなときに検討すべき施設です。

投稿者プロフィール

後藤利英
後藤利英
大学卒業後、営業職・飲食業をへて介護業界へ。ホームヘルパー2級を取得後にグループホームでキャリアをスタート。
介護福祉士を取得し病院、ケアマネージャーを取得して老健・居宅支援事業所で働き、15年間の経験を元に、昨年7月株式会社介護屋ごとう、本年2月からはワントップパートナー札幌麻生店を設立。