介護医療院ってどんなところ?――医療と介護を支える施設の特徴
介護医療院のメリット
介護医療院は、医療と介護の両方が必要な高齢者のための施設です。
「医療療養病床」の役割を引き継ぐ形で作られ、長期療養が必要な方が安心して暮らせる場所です。
- 医師や看護師が常駐しているため、医療的な処置や見守りが受けられる
- 日常生活の介護(食事・排泄・入浴など)も併せて支援してもらえる
- 急変があってもすぐに医療対応が可能
- 長期入院が難しい方でも、生活の場として入居できる
医療と介護の両面をカバーできる点が最大の強みです。
デメリットと向いている方の状況
一方で、介護医療院にはデメリットもあります。
- 「生活の場」というより「療養の場」という性格が強く、自由度は低め
- 外出やレクリエーションなどの活動は少なく、生活が単調になりやすい
- 医療や介護が不要になった場合、退所を求められることもある
そのため、以下のような方に適しています。
- 経管栄養、吸引、褥瘡(床ずれ)など医療的ケアが継続的に必要な方
- 要介護度が高く、在宅生活や他の介護施設では対応が難しい方
- 病院からの退院を勧められたが、自宅に戻るのは困難な方
👉 つまり、「医療の必要性が高い高齢者に適した施設」といえます。
料金の目安と選び方のポイント
介護医療院の料金は、介護保険の自己負担+居住費+食費がかかります。
自己負担は介護度や部屋の種類によって変わりますが、
月額でおよそ8万〜15万円程度が目安です(1割負担の場合)。
ただし、医療費が加算される場合もあるため、個々の状況によって差があります。
費用だけで判断するのではなく、
- 医療的ケアをどこまでしてもらえるか
- 医師や看護師がどのように関わってくれるか
- 家族が面会や関われる環境があるか
を事前に確認することが重要です。
まとめ
介護医療院は、「医療と介護の両方が必要な方のための長期療養の場」です。
在宅や一般的な介護施設では支えきれない医療的ニーズに応えてくれる一方で、生活の自由度は低いという特徴があります。
「自宅ではもう難しい」「でも医療も必要」というときに検討したい選択肢です。
投稿者プロフィール

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大学卒業後、営業職・飲食業をへて介護業界へ。ホームヘルパー2級を取得後にグループホームでキャリアをスタート。
介護福祉士を取得し病院、ケアマネージャーを取得して老健・居宅支援事業所で働き、15年間の経験を元に、昨年7月株式会社介護屋ごとう、本年2月からはワントップパートナー札幌麻生店を設立。
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