介護を支える社会資源

土曜日のブログ担当、産業ケアマネの辻です。

今回は、京都東山金剛寺で毎月行われている介護者カフェで、9月11日に講義された「一般社団法人つなぎ」さんの活動について書かせて頂きます。

道に迷われた認知症のお母様

ある女性の話

認知症のお母様と一緒に暮らしておられます。

その方が、仕事で出張に行っている際、夜遅くに警察から電話が入りました。

お母様を警察で保護しているとのこと。

一人で外出して、道に迷い家に帰れなくなっている所を、通行人の通報により警察が保護したとのこと。

警察からは「今すぐ迎えに来るように」との連絡でした。

この女性の出張先は、自宅から遠く離れた他県です。夜遅くて電車もありません。

迎えに行けるのは、明日の朝になります。

仕方なく、お母様は一人寂しく警察で夜を明かしてもらうしかありませんでした。

警察に保護される認知症高齢者

今回講演なさった「つなぎ」さんのお話によると

家族が不在中に外出して家に帰れなくなり、警察に保護される認知症高齢者はここ最近増加傾向にあるとのこと。

また、これまで警察に保護された認知症高齢者を、家族に代わって、迎えにいくシステムはありませんでした。

家族に代わって迎えに行っていたのは、私たちケアマネージャーであったり、地域包括支援センターの職員、施設の職員など。

私も、担当の利用者様のことで、遠方の家族に代わって警察へ伺ったことがあります。

ただ、これは本来の業務外の仕事であり、ルールのないグレーゾーンです。

家族にも事情があります。

そして、介護保険制度による支援では、サポート仕切れない部分があるのです。

一般社団法人「つなぎ」さんの活動

「つなぎ」さんは、警察OBが運営されている非営利の一般社団法人です。

一般社団法人つなぎ　https://kyoto-tunagi.com/

冒頭でご紹介した事例のように、警察で保護された認知症高齢者を家族に代わって迎えに行くサポートサービスを実施されています。

また「高齢者110番の家」という活動もされています。

道に迷ったりして困っている認知症高齢者等が、駆け込める場所の提供を

各種団体、企業に呼びかけておられます。

高齢者が援助を求めてきた場合一次的に保護したり、警察への通報や救急搬送が必要になった際「つなぎ」さんに連絡するという拠点です。

家族の支援だけでは限界があります。

そして、現状の制度では介護保険のサービスでも対応が難しい

そんな、介護の一部を支援してくれるシステムだと思います。

私は今回「つなぎ」さんの活動についてお話を伺い、こうした取り組みは、まさに社会全体で高齢者を支える地域包括システムの一旦を担うものだと感銘を受けました。

介護される人も介護する人も安心できる社会へ

超高齢社会、少子化が加速している中

家族は介護のために仕事をセーブせざるを負えなくなり、介護のために仕事を辞める「介護離職」へと追い込まれるケースも年々増加しています。

介護の問題は、社会全体の問題として、

また介護離職の問題は全ての企業の課題として取り組むべきことだと思います。

今回「つなぎ」さんのお話を伺って、介護の専門職として「一筋の光」が見えたような気がしました。

介護保険だけでなく、地域の社会資源を充実させることで、高齢者にとって安心できる社会が実現できます。

そしてそれは、家族を介護しながら働いている人にとっても安心できるシステムとなるでしょう。

「介護離職」を防ぐ決め手となるように思います。

介護者カフェ

今回金剛寺さんで行われた介護者カフェには、地域で暮らす家族を介護をされている方、これから介護について学びたい方など様々な方が集われています。

このカフェそのものも介護を支える社会資源の一端として機能しています。

金剛寺の住職様の活動も素晴らしいです。

また、別の機会にブログに書かせて頂きたいと思います。

今月の金剛寺の介護者カフェでは、私がお話しさせて頂くこととなりました。

皆さんに「介護は突然始まる」「介護を抱え込まないために」「仕事と介護の両立」というテーマでお話しさせて頂く予定です。

私は産業ケアマネとして、企業の経営者及び人事担当の方、そして一般の方を対象に介護セミナーを行っています。

ご興味のある方は、下記までお知らせいただければと思います。

↓ 　↓　↓　↓

cm.megumi0925@gmail.com

研修依頼について

https://docs.google.com/document/d/1UhikGUraEXXrB9xqFvEE-hh7bd-wxGhFdPsQ6VQ0YS0/edit?usp=sharing

今回は、今回は一般社団法人「つなぎ」さんの活動について書かせてもらいました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。