介護に備えてください!
こんにちは!
土曜日ブログ担当の産業ケアマネ辻です。
今回から3回に分けて、10月9日に金剛寺の介護者カフェで行ったセミナー内容を書かせて頂こうと思います。
介護は突然始まる
金剛寺の介護者カフェには様々な世代の方が来られていました。
お寺ということもあって比較的年齢層は高かったですが、まあ介護はこれからという方、介護事業所関係の方などもおられました。
そこで、まずは介護の基本的なことをお伝えしようと思い、テーマを三つに絞りました。
・介護は突然始まる
・介護を抱え込まないために
・仕事と介護の両立
それぞれのテーマをわかりやすく理解していただけるよう、ケアマネージャーとして経験した事例をあげてお話しさせて頂きました。
まず初めに
家族は元気なので介護はまだまだ先という方、あるいは自分の介護についてはまだ実感が持てないという方に向けて
介護は突然始まる
をテーマでお話ししました。
ケアマネージャーとして経験した事例
70代女性の事例です。
離婚して、三人の息子さんたちはそれぞれ独立、女性は長らく一人暮らしを続けてこられました。
自転車に乗って買い物に行ったり、地域の婦人会の活動に参加するなど元気に暮らしておられました。
しかし、ある日心筋梗塞を発症され救急搬送をされます。入院し大きな手術もされました。
当然息子様たちのところにも連絡がいきます。
息子様たちは大慌てです。
入院のための準備
パジャマや下着がどこにあるのかわからない。
健康保険者証がどこにあるのかわからない。
まとまったお金もいるかもしれないと、本人のお金を引き出そうと思いましたが
通帳やハンコの場所もわからない。
本人には、意識がないので聞けない。
結局、ご本人が意識を取り戻され、なんとか切り抜けられましが、、、
今度はいざ退院となった際のことです。
長らく入院すると、筋力が落ちてしまい動けるようになるのに時間を要します。特に高齢者の場合は、リハビリをしたとしてもかなりの時間がかかります。あるいは病状によって、入院前の状態まで戻れない方も多くおられます。
この女性の場合も、入院前のように自転車に乗って出かけることはできなくなりました。
それどころか、身の回りのことも一人で行うのも困難になってしまわれたのです。
一人暮らしを続けられない。
息子様たちのうち誰か引き取らないといけない。
いやいや、自分達もそれぞれ事情がある。
自宅が狭い、受験生がいる、息子様のお嫁さんが反対する。
などなど
息子様たちは困り果てておられました。
元気なうちに介護の話をしておく
結局この女性は、入院中に要介護認定を申請され介護サービスを利用して一人暮らしを続けておられます。
ケアマネージャーとして、私はこの女性のケースのように、家族が大慌てされる場面をよくお見かけします。
当たり前ですよね。
元気に一人暮らしをしておられていた。まさか自分の親に急に介護が始まるなんて、考えてもいなかった。
しかし
介護は突然始まるのです。
では慌てないためにどうしたらいいのか。
まずは、介護されるだろう人、親や配偶者が元気なうちに介護について話しておくことです。
介護が必要になったら、どうする?と本人に聞いておく
そして、介護が必要になった場合を想定する、イメージしておくことが必要です。
具体的には、どこで介護されたいのか(このまま一人暮らしを続けたい、家族と同居がしたい、施設に入りたいなど)本人の意向を聞いておく
また、介護が必要になった際にお金の準備はできるのかの確認が必要です。
年金がどれくらいあるのか。子どもとしては、なかなか親に聞けないかもしれませんが、入院や介護費用は親の生活費以外に必要になるものであり、年金で賄えるのか確認しておく必要があるでしょう。
有料ホームへの入所となるとかなり費用もかかってきます。
保険証や年金の入る通帳の保管場所についても、できるだけ家族で話し合って確認しておくと、いざという時に慌てないで済みますよね。
それから、家族のうち誰が中心となって介護を行うのか
介護を介護サービスで担うとしても、家族の誰かが中心となって動いて頂かなくてはなりません。病院やケアマネージャーとの連絡、介護サービスを利用する際には本人に代わって契約などもして頂かなくてはならないのです。
考えておくこと、話し合っておくこと、いっぱいあって大変ですよね。
なかなか、話し合うとしてもハードルは高いと思います。
まず、最初はなんとなくで良いので、介護をする、介護をされるかもしれないというイメージを持って、日常生活の中で家族で介護について話をするところからスタートしてはどうでしょうか。
本人の意向や家族の状況も変化していきますので、できるだけ回数を重ねて話をしておくのがいいと思います。
介護保険制度について知っておく
また、介護が保険制度について知っておくことも必要です。
以前のブログにも書きましたが、私たち介護関係者は当然に皆さん知っておられると思っていましたが、案外皆さんご存知ない。
介護保険制度が任意の保険、一般の保険商品と思っておられる方さえおられました。
介護保険制度は、社会全体で介護を支えることを目的とした公的な保険です。
細かい概要等までは知らなくとも、せめて65歳以上になって介護が必要になれば利用できるものとして覚えておいて頂きたい。
居住地にある役所に行けば、必ず介護保険制度に関するものや、介護サービスに関するリーフレットなど置かれています。
市町村や厚生労働省のホームページにもその概要が詳しく書かれています。
介護が必要になるであろう人(家族・自分)が元気なうちに、こうしたものに一度目を通しておくこともぜひ行って頂きたいですね。
介護は人ごとでは、ないんです。
介護は突然始まります。
今回の事例の息子様たちのように慌てないために、
是非、介護に備えてください。
私は産業ケアマネとして、企業の経営者及び人事担当の方々、そして一般の方を対象に介護セミナーを行っています。
ご興味のある方は、下記までお知らせください!
↓ ↓ ↓ ↓
cm.megumi0925@gmail.com
研修依頼について
https://docs.google.com/document/d/1UhikGUraEXXrB9xqFvEE-hh7bd-wxGhFdPsQ6VQ0YS0/edit?usp=sharing
今回は、東山区金剛寺の介護者カフェにて、講演させて頂いた一部の内容を書かせて頂きました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
投稿者プロフィール
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産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 1期卒業生
ケアマネージャー歴 10年
社会福祉士
介護福祉士
保育士
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