両立支援の理解促進について考える。〜チーム編〜

兵庫県で活動している 産業ケアマネ 片岡です。

介護をしている同僚に対して、「大丈夫?」「何かあったら休んでね」と声をかけることはとても大切です。
しかし、そうした優しい言葉だけでは、現実の仕事と介護の両立に伴う負担や孤立感を十分に軽減することは難しいのではないかと思うのです。

なぜなら、支える側も、支えられる側も、どこかで無理をしてしまう。
そんな負の連鎖に陥りやすいのは、職場全体に「休むことはお互い様」という風土が根付いていないからです。

私の『休めない』思い込み”黒歴史”

私自身も、かつては「休めない=”休みたくない”症候群」に陥っていました。
誰よりも休まず、長く働き、「私じゃないと!」と属人化した業務(自分にしかわからない仕事)を自ら生み出していたことも…。※ちなみにかなり昔のことです(恥)

振り返ると、それはただの自己満足。
仕事をしている自分に価値を見出そうとしていたのだと思います。

そんな感じなので「自分が突然休んでしまうこと」なんて、当時はこれっぽっちも考えていませんでした。

自分が「急に休む」ことを想像し、職場環境を整えることの大切さ

今回は自分の黒歴史を例にしていますが、「休めない」には様々な理由があると思います。

でも、どんな理由であれ共通して言えるのは「急に休まざるを得ない状況」は誰にでも起こり得るということ。

支える側も支えられる側も共通して大切なのは「自分がもし急に休まざるをえなくなったら?」という視点です。

  • 仕事の進捗や情報を整理しておく。
  • 業務の引き継ぎや共有を日頃から行う。
  • 時間の使い方を効率化し、無駄を減らす。

こうした準備は、誰かのためというよりも、まずは自分自身の安心のため日々取り組むべきことでもあります。
「もしものときに備えておく」という心構えが、精神的な負担を減らす助けにもなります。

まずは「休んでみる」勇気と経験が風土を変える

さらに大事なのは、実際に「休んでみる」ことです。

休むことへの罪悪感や周囲の反応がどうなるかを体験することで、初めて職場のリアルな姿が見えてくる。

また、休んだときに同僚や上司がどんなフォローをしてくれるのかを知ることも、安心感に繋がります。

みんなが気兼ねなく休み合える環境をつくるためには、こうした経験の積み重ねが大切ではないでしょうか。

「休むことがお互い様」の職場風土はどうやってできる?

「自分が急に休んでも、なんとかなる」
この感覚を、チームメンバーの一人ひとりが持てるようになることが、何よりも大切です。

介護や育児、体調不良はもちろんのこと、特に理由がない人であっても「来月は少しペースを落とそうかな?」「まとまった休みをとろう」など、そんな選択が自然にできるような環境でなければ、結局誰かが無理をして、誰かが我慢するチームになってしまいます。

実際、何の事情もない人が常に誰かの穴を埋め続ける状況は、静かな消耗を生みます。
そしてその人も、ある日突然、介護や病気、家庭の都合で「支えられる側」にまわるかもしれません。

だからこそ、誰もが「自分の穴」を想定して仕事を整え、「誰かの穴」もチームで支える。

そして実際、チーム全員が休んでみることで経験する”業務の穴埋め”の成功体験の積み重ねが、ようやく「休むことはお互い様」という風土を実現させると考えます。

産業ケアマネとして、チーム全体に寄り添う

仕事と介護の両立支援は、特定の誰かだけの話ではありません。
それは、すべての働く人が「何かがあった時安心して休める組織」🟰「安心して働き続けられる組織」に育てていくための第一歩でもあります。

産業ケアマネは”介護があっても退職することなく、今まで通り働き続けられる”ように介護の視点からサポートすることが目的の一つ。

しかし、急な休みなどへの”仕組みづくり”や”風土醸成”は仕事と介護の両立支援だけでなく、これからの社会に必要なこと。

介護というテーマを切り口に、チーム全体がより働きやすくなるための風土づくりをサポートしたいと考えています!

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私、産業ケアマネ 片岡
主に兵庫県の企業様を対象に「仕事と介護の両立支援明石事務所」を運営しています。
社内セミナーや社内実態調査、介護に直面する従業員への個別面談などを通じて仕事と介護の両立を支援
社会問題「介護離職」の防止につなげます。
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投稿者プロフィール

片岡芳美
片岡芳美
産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 2期卒業生
介護業界21年
社会福祉士/介護支援専門員
仕事と介護の両立支援明石事務所 2024年11月開設