ハンコがない

利用者様のお宅にて

「ハンコ…どこやったかな」

食器棚の引き出し、客間の整理ダンスの引き出し、仏壇の引き出し

引き出しの中を全部取り出してみるも見つからない。

たまらず、同席されていた息子様も一緒になって家中を探される。

「あの、急ぎませんので、今度来た時までに探しておいてください」

ケアマネージャーとして、利用者宅を訪問し、必要書類に印鑑を頂くことがあります。

印鑑だけでなく、介護保険者被保険者証を見せて頂く際にも、同じことがよく起こります。

「どこ置いたかな、大事な物は必ずこの引き出しに入れてるはずやのに」

70代後半、息子様は就職を機に家を出ておられる。年に2、3回家族を連れて帰ってくる程度。

長年連れ添った奥様を最近亡くされて一人暮らし。

近所の方から様子がおかしいと行政機関に相談があり、

介護サービスを受けることになった方のお話です。

「息子様は、ご本人の様子で何かお気づきのことはなかったですか」

「正月に帰省して以来、時々電話する程度だったんで、そこまでおかしいとは思っていませんでした」

そうですよね、しっかりとお話しされますし、特に身体状況には問題ない様子。

ただ、家の中が散らかっており、台所からは生ゴミの悪臭がしていました。

医師には初期の認知症と診断を受けておられる。

息子様はご本人以上に不安な顔をされています。

「自宅が遠いものでなかなか実家には帰れないんです」

「私も妻も仕事をしていますし、休みを取るのも難しいです」

親の介護は突然始まる

介護は突然始まります。

今まで、ずっと普通に元気だと思っていた親。

たまに家族を連れて帰省すれば、いつもと変わらない両親の姿がそこにありました。

ただ、帰るたびに少しだけ「歳をとったな」と感じる瞬間があったかもしれません。

親には、ずっとずっと元気でいて欲しいと思っていますが、

自分が歳を重ねた分、当たり前に親も歳を重ねています。

そしてある日突然、今までと違う親の姿に愕然とします。

物忘れがひどくなる

病気になる

転倒して骨折する

一人で生活できなくなる

ただ、これは突然のことのようで、実は少し前から始まっていたことなのかもしれません。

親が元気なうちにできること

このブログを読んでくださっている皆さん

ご両親はお元気で、介護なんてまだまだ先と考えておられるかもしれません。

ただ、私はケアマネージャーとして、冒頭のご利用者様宅のような事をよく経験します。

突然変わってしまった親の状態に戸惑い、不安になるご家族。

まさにそれは突然襲ってくる災害のように感じておられるようです。

災害には備えが必要です

親が元気なうちにできることがあります。

ますは、親が元気なうちに『介護』について知ってください。

そして、『介護』に向き合う準備をしておきましょう。

あなたは親のハンコがどこにあるか知っていますか?

65歳以上になると、手元に介護保険被保険者証が届くことを知っていますか?

親が元気なうちに『介護』に備えましょう

私たち産業ケアマネージャーは、そのお手伝いをさせていただきます!

これから一緒に『介護』に備える方法を考えていきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

投稿者プロフィール

辻 恵
辻 恵
産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 1期卒業生
ケアマネージャー歴 10年
社会福祉士
介護福祉士
保育士