ドラマ『ひとりでしにたい』が問いかける
―「今」、介護や老いを自分の問題として捉えるために―
介護の問題って、まだ自分には関係ないと思っていませんか?
でも、今放送中のNHKドラマ『ひとりでしにたい』は、「明日あなたにも訪れるかもしれない現実」を、リアルに、そして静かに投げかけています。
主人公・鳴海(演:綾瀬はるか)は、憧れていた伯母の孤独死を目の当たりにし、39歳にして「終活」を真剣に考え始めます 。
これは、「介護も終活も遠い未来の話」と思っている人にとって、非常に大きな気づきのきっかけになるドラマです。
「他人事ではない」――孤独死の現実と向き合うということ
第1話では、伯母の孤独死をきっかけに、鳴海が人生を180度見つめ直す姿が描かれます 。
「自分も、ひとりでしにたくない」という誰もが抱く思いが、終活へとつながっていきます。
介護も老後も、急に始まるものではありません。
まず必要なのは、「他人事」から「自分事」に変える一歩です。
このドラマは、まさにその“気づき”を与えてくれます。
忙しい日常に、目を向ける時間と関係性を取り戻す
鳴海は伯母の死をきっかけに終活を意識し始めますが、その背景には「仕事・趣味・生活」とのバランスがありました 。
これは、介護と仕事を両立する上で、とても参考になる視点です。
- 忙しい日常が、親や家族との時間を奪っていませんか?
- 老いを遠ざけて見る癖は、自分や家族にとって優しくないかもしれません。
制度や支援は確かに大切ですが、まずは「気づく時間」「対話する関係性」を取り戻すことから始める。
ドラマが示すのは、そんなシンプルだけど深い大切さです。
「終活準備」は介護に備える一歩でもある
終活とは「よりよく生きるための準備」です。
それは介護にもつながります。遺言・葬儀・財産だけでなく、親との対話、介護のイメージ、サポートの話をすることが含まれます。
産業ケアマネとしてお伝えしたいのは――
- 制度やサービスは、備えることとつながっています
- 「気づいて話す」「調べて相談する」の繰り返しが、両立への近道
【まとめ】
- 『ひとりでしにたい』が突きつける孤独死のリアルは、介護にもつながる問題です
- 忙しい日常の中で、家族との対話や気づきを取り戻すことが第一歩
- 終活=介護の備え、今から準備することで、これからの人生が変わります
介護や老後について考えることは、未来を整えること。
ドラマを観たあなた自身の“人生をどう終えるか”、それを考えることで、介護との両立も、もっと安心できるものになるはずです。
産業ケアマネとして、あなたがその一歩を安心して踏み出せるよう、これからも寄り添っていきます。
投稿者プロフィール

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大学卒業後、営業職・飲食業をへて介護業界へ。ホームヘルパー2級を取得後にグループホームでキャリアをスタート。
介護福祉士を取得し病院、ケアマネージャーを取得して老健・居宅支援事業所で働き、15年間の経験を元に、昨年7月株式会社介護屋ごとう、本年2月からはワントップパートナー札幌麻生店を設立。
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