アンケート結果から見えてきたもの

ある介護事業所のアンナケート結果から

「家族の介護の問題は理解できますが、実際人手不足でなかなかそこまでは考えられないです」

利用者さんのお昼ご飯が終わった後のデイサービス

窓からちょうど良い感じの日差しがあり、ぽかぽかとした陽気の中

利用者さんの中には、体が少し傾いて、目を閉じておられる人もおられます。

「座ったまま寝ちゃ危ないよ」

職員が優しく体を起こし、口の周りをきれいにティッシュで拭いておられます。

「ここは女性の職員しかいないんですよね」

病院の隣の小規模のデイサービス

私は、仕事でお世話になっている管理者の方に「仕事と介護の両立アンケート」を依頼しました。

今日はそのフィードバックに伺っています。

仕事の手を一時止めてもらって、施設の一角でお話をすることになりました。

病院院長の娘様でもある方

穏やかでありながらしっかりとした口調で、時々施設の様子に目配せをしながらお話をされる

「アンケートをしてみて、私の知らなかった従業員の実情や気持ちがわかりました」

「ただ、なかなか現実はそこまで考える余裕がないんですよね」

介護の現場にいるからこそ

従業員の方は、半数以上の方が非正規の方でした。

年代はバラバラでしたが、比較的高く、70代の方もおられました。

家族の介護をきっかけに、介護の勉強をされて資格を取られ、

介護が終わった後に仕事に就かれたか方もおられます。

アンケートの「介護が始まったら不安に思うか」の問いについて

「不安を感じない」は少なかったですが

「非常に不安」「不安」という方よりも

「少し不安」という方が過半数でした

やはり介護のプロの方々なので、介護そのものに対する不安は少ないようです。

そして「現在の勤務先で働きながら介護を担うことができるか」という問いについては

2割の人が「できないと思う」1割の人が「わからない」と答えておられます。

やはり、仕事と介護の両立については難しいと考えている方がおられました。

介護の現場にいるからこそ、介護の大変さを理解している

気力や体力、拘束される時間

介護者にのしかかる負担を一番短かに感じておられるのでしょう。

介護業界の問題

慢性的に人手不足となっている介護業界

私自身の職場でも日々感じています。

高齢化社会が進む中、介護現場で働く方々も高齢化しています。

介護は体力が入りますから、高齢になるとキツくなりますよね

ただ、介護業界は女性が多く、しかもある結構歳を重ねた方も多くおられます。

歳を重ねた分の人生経験がそのまま役立つ場面が多い

幅広い年代の方が、自身の経験を活かしつつ、新しいスキルを手に入れて働ける

介護業界の素晴らしい側面だと思います。

しかし

介護を必要とする高齢者が増える一方、介護を担う世代は減少しているというのも事実です。

仕事と介護の両立を介護業界から

今回アンケートを行った事業所の管理者の方は

自身にも高齢の両親がおられ、身をもって家族の介護の問題も感じておられます。

ただ、人手不足の中

従業員の方が介護を理由に長期休暇を取られる、仕事を辞められる、となれば

たちまち困ることになる

今のところは、もしそうなれば人員を増やすなど対策するつもりとは仰っており、今回はアンケート後のサポートを受けていただくことはありませんでした。

ただ、従業員の家族の介護の視点について、今まで意識されてこなかったとのこと

今後起こるかもしれない

「介護離職」について知っていただく機会になったと思います。

人手不足で困っている介護業界だからこそ、仕事と介護の両立支援は必要

今回のアンケートで一番実感したことです。

仕事と介護の両立を介護業界から広げていく

介護の大変さを理解しているからこそ、私たち産業ケアマネージャーの出番ですよね!

皆さんとともに産業ケアマネージャーとして

介護業界の慢性的な人手不足問題を解決する一端を担いたいと思いました‼︎

私たちにできることが必ずある

最後まで読んでいただきありがとうございました。

投稿者プロフィール

辻 恵
辻 恵
産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 1期卒業生
ケアマネージャー歴 10年
社会福祉士
介護福祉士
保育士