いざという時に備える情報整理〜家族が安心できる小さな準備〜

「もし、親が急に倒れたら…」
「自分が入院したら、家族は困らないかな…」

そう思っても、なかなか具体的な準備までは進まないものですよね。
けれど、いざという時に必要な情報がまとまっているだけで、家族の不安や混乱をぐっと減らすことができます。

今回のテーマは、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)=人生会議 の第3弾。
「いざという時に備える情報整理」についてお話します。

いざという時、何がわからなくて困るの?

親や家族が急に体調を崩したとき、
「どこの病院にかかっていた?」「お薬は何を飲んでいた?」
「保険証はどこ?」「通帳はどの銀行?」
そんな生活の中の大事な情報がすぐにわからず、慌てることがあります。

特に困るのは、次のような情報です。

  • かかりつけの病院や主治医、服用している薬の情報
  • 保険証、介護保険証、通帳、印鑑などの保管場所
  • 家族や親せき、近所の連絡先
  • 本人の希望(延命治療のこと、誰に連絡してほしいか、など)

これらが一つにまとまっていると、いざという時にも落ち着いて対応できます。

情報整理は「家族への思いやり」

「まだ元気なのに、そんな準備なんて早い」と感じる方も多いかもしれません。
でも、情報整理は亡くなった時の準備ではなく、
安心して生きていくための備えです。

たとえば、

  • 病院に行けないときに、家族が薬の情報を把握していれば代わりに受診できる
  • 遠く離れて暮らす子どもが、入院の連絡を受けた時に必要な書類がすぐ見つかる

そんな小さな備えが、家族を守り、自分の思いをつなぎます。
情報を整理しておくことは、「自分のため」でもあり、「家族へのやさしさ」でもあるのです。

無理なくできる!情報整理3ステップ

情報整理というと難しそうに聞こえますが、実はとてもシンプルです。
今日から少しずつ始められます。

① 書き出してみる
「かかりつけ医」「使っている薬」「家族・親せきの連絡先」など、思いつく範囲でメモしてみましょう。
完璧でなくて大丈夫。わかるところから始めればOKです。

② 保管場所を決めておく
通帳や印鑑、保険証書など、大切なものの保管場所をはっきり決めましょう。
「リビングの引き出し」「青いファイル」など、家族に伝えておくのも大事です。

③ 年に一度は見直す
住所変更や保険の更新、病院の変更など、暮らしは少しずつ変わります。
お誕生日や年末など、タイミングを決めて見直すと続けやすいですよ。

家族で一緒に話してみよう

情報整理は、一人で黙々とやるよりも、家族と一緒に話しながら進めるのがおすすめです。
「もしもの時、どこに何があるかわかるようにしよう」
「お父さんが使ってる薬、どんなの?」
そんな何気ない会話が、家族の安心につながります。

最近は、書店などで「エンディングノート」や「もしもノート」といった記録ノートも見かけます。
終活のように感じるかもしれませんが、「家族で話すきっかけ」として使えばとても便利です。
私のおすすめは、気軽に書けて家族の会話を大切にしたノートです。
(私も「よりそい結ノート」というのを製作中です😊)

情報整理は、ACPの第一歩

ACP(人生会議)とは、「もしもの時のために、自分の希望を家族や医療者と話し合うこと」
でも、いきなり「人生の最期」を考えるのはハードルが高いものです。

そんなとき、
まず情報を整理することから始めると自然に家族との会話が生まれます。

「保険証はここ」「かかりつけはこの先生」
そんな小さな共有の積み重ねが、
将来のあなたの思いをしっかりと伝える力になります。

いざという時に備える情報整理は、
家族が困らないようにしておくための優しさであり、
自分らしく生きるための準備でもあります。

今日から少しずつ、あなたの大切な情報をまとめてみませんか?
その一歩が、未来の安心をつくっていきますよ!

私は産業ケアマネとして、働く世代の「介護の備え」や「仕事と介護の両立支援」に取り組んでいます。
企業での研修や、地域での講座を通して、
「介護する人も、される人も幸せになれる関係づくり」をお伝えしています。

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投稿者プロフィール

辻 恵
辻 恵
産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 1期卒業生
ケアマネージャー歴 10年
社会福祉士
介護福祉士
保育士