仕事をしながらの介護の実態
こんにちは!土曜日のブログ担当、産業ケアマネの辻です。
今回は、ケアマネとして経験したある事例を挙げて
仕事をしながら行う介護の実態について書かせてもらいます。
アルコール中毒になった母を抱えて
私が担当することになった利用者様は、いわゆるアルコール中毒の女性でした。
一人暮らしでしたが、毎夜毎夜お酒を飲み体はボロボロ。高齢のせいもあって、家事などの身の回りのことが出来なくなっておられます。
若いころに離婚して、子どもは娘さん一人。娘さんは結婚されていませんでしたが、独立して市内に暮らしておられます。
その娘様からの相談でした。
娘様は介護施設にお勤めで、夜勤もある。しかし、お母さんのことが心配で、実家と自分の家を行き来されている状態です。
娘様はかなり疲弊されていました。
このまま仕事が続けていけるのだろうか。
介護サービスの利用へ
その利用者様の心身の状態。昼間はお酒を飲まれることは少ないようです。
重度のアルコール中毒とは言えない。
ただ、お会いすると認知機能に問題があるように感じました。足の筋力も衰えていてふらつかれることもあります。
アルコールのせいだけではなさそう。
既に、娘様は地域包括支援センターに相談に行かれ要介護認定の申請はされていました。
しかし、本人は自分はどこも悪いところがなく、人に世話になることはないと仰るばかり。
私は何度もご自宅へ足を運び、面談を繰り返しました。
そして、夜中の転倒を防ぐためにベット横に手すり(福祉用具)を置くことと、デイサービスの利用を提案し続けました。
家の中で長時間一人で過ごすことが、お酒に頼る一因ではないかと思ったからです。
根気よく提案を続け、あるタイミングでデイサービスのお試し利用をしてもらえるようになりました。
娘様の仕事と介護
その後、なんとか定期的にデイサービスを利用して頂けるようになり、寝室に手すりを設置して、夜中の転倒を防げるようにはなりました。
それでもアルコールの量は変わりません。
娘様は、ほぼ毎日実家に泊まるようになっておられました。
夜中にお酒を飲んで、大声を出されることも頻繁にあるとのこと。
娘様はゆっくり眠れない。
仕事に障るのではと心配されました。
また、夜勤がある日はどうしているのか、きっと気になっておられたと思います。
仕事をもう少しセーブした方が良いのでは
娘様は、会社相談して夜勤を少なくするなど、シフトの調整をされたようです。
また、日中仕事中は私用の携帯に出れません。
そのために、ケアマネージャーやデイサービスからの連絡は会社に直接させてもらうことになりました。
おそらく、会社に許可を得て頂いたのだと思います。
ケアマネージャーが訪問する日程についてや、デイサービスからの連絡もスムーズにできるようになりました。
何よりも、会社に「自分が親を介護していて大変だ」ということを話された、
オープンにされたことが良かったと思います。
しかし、親の介護を理由に仕事のパフォーマンスが落ちてしまうのは仕方がないというわけではありません。
会社もそこをお大目に見てくれるわけではないはずです。
当たり前ですが、どんな状況でも仕事はいい加減にはできないのです。
親の介護に疲れていても
寝不足であっても、、、
仕事と介護を両立させるために必要なこと
娘様から、今のお仕事を辞めるとか、転職するといった話は今の所お聞きしていません。
これは、私の勝手な想像ですが、おそらく娘様は、今のお仕事を気に入っておられると思います。
ケアマネージャーとしての関わりですので、娘様の職場の状況まではお聞きしていませんが
おそらく、職場の人間関係も良好のようです。
私が職場に電話した際の会社の方の対応などから、それが伺えました。
なんとしても、娘様には今の仕事を続けてもらいたいと思うようになりました。
そのために、私に何ができるのか。
ケアマネージャーとしてできることは、
お母様の介護サービスを充実させる、安心材料を増やすことだけです。
しかし、残念ながら24時間の安心は保証できません。
娘様の介護負担の軽減のため、今は一時的にお泊まりできる、ショートステイの利用を提案しています。
そして、もう一つ
娘様に介護を抱え込まないように伝えています。
すぐに解決策は見つからないかもしれませんが、周囲の人に困っている状況を話すことで
心の負担が軽減できると思います。
あくまでケアマネージャーは介護される人の支援を行う仕事です。
今回の事例の方のケースもまだまだ問題解決に至りません。
今後もケアマネージャーとして丁寧な関わりを続けたいと思います。
しかし
やはり、家族支援
仕事をしながら介護を続ける家族の支援はケアマネージャーとは別に必要です。
介護する家族の相談にもっと乗って差し上げたい。
その思いで、私は産業ケアマネの活動を始めました。
産業ケアマネージャーは、
企業様に対して、介護セミナーや従業員様の個別面談を行うなどして
仕事と介護を両立させる職場づくりのお手伝いをさせて頂いています。
私は産業ケアマネとして、企業の経営者及び人事担当の方、そして一般の方を対象に介護セミナーを行っています。
ご興味のある方は、下記までお知らせいただければと思います。
↓ ↓ ↓ ↓
cm.megumi0925@gmail.com
研修依頼について
https://docs.google.com/document/d/1UhikGUraEXXrB9xqFvEE-hh7bd-wxGhFdPsQ6VQ0YS0/edit?usp=sharing
今回は、仕事をしながら行う介護の実態について書かせてもらいました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
投稿者プロフィール
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産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 1期卒業生
ケアマネージャー歴 10年
社会福祉士
介護福祉士
保育士
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