介護のために家族ができること
こんにちは!
産業ケアマネの辻です。
今回は、ケアマネジャーとして関わったある事例から「介護のために家族ができること」について一緒に考えたいと思います。
家族の形は千差万別。介護についてもその人の心身の状況、周りの環境によって様々です。
同じ介護はありません。
今回のケースも一つのパターンとして読んで頂けたらと思います。
寝たきりでも一人暮らしを続ける
私がケアマネジャーになって最初に担当した方でした。なので、もう10年以上にわたってのお付き合いです!
その方が、先日療養型の病院に入られました。
もう自宅に戻られることはありません。
関わった当初は要介護2。一人でなんとかトイレに行ったり、簡単な食事は自分で摂る事が出来ておられました。
しかし日を追うごとに、状態は悪化されていきます。
認知症を患われており、緩やかですが一人でできないことがどんどん増えていきました。
若いころに離婚され、子ども達はそれぞれ独立され、長年一人暮らしをされてきました。
介護が必要になってからも、介護サービスを利用してなんとか一人暮らしを続けてこられました。
しかし、2、3年くらい前から歩くのも難しくなり、ほとんど寝たきりの状態になられました。
訪問介護のヘルパーが1日2回訪れ、食事の世話や排泄の世話を行います。
通所もほぼ毎日利用して頂きました。
一人で出来ることといえば、ベットサイドに置かれた水を飲むことくらい。
それ以外は全て、介助がいる状態でした。
なんとか安全に穏やかに生活して頂ける方法はないか
ケアマネジャーとして出来ることはないか、ずっと考えてきました。
家族の支援が難しい
子どもさんはお二人。
お一人は仕事をバリバリされていて独身。お母様のことは心配されていますが、実際に介護をする時間がありません。
もう一人の子どもさんの方は平日に休みが取れることから、ケアマネジャーとの連絡や面談をして頂くキーパーソンとなって頂きました。
しかし、実際に介護を行うのは全て介護サービスによるものでした。
ある日、ベットから転落されて動けなくなっておられました。朝伺ったヘルパーが発見したのです。
看護師が緊急訪問した後、すぐに救急搬送されました。
病院には家族に来てもらわなければなりません。
何度も電話してようやく、キーパーソンの子どもさんに連絡が取れましたで。
すぐに駆けつけるとのことでしたが、それまでケアマネジャーである私が病院で待つこととなりました。
10年間支援の中でこのようなことが何度もあり
その度に、キーパーソンの子どもさんが仕事を中断して対応してくださいました。
こうした緊急事態は日を増すごとに増えてきました
そんな中、その子どもさんが体調を崩してしまわれたのです。
今までは、月に2、3回はお母様の様子を見に来てくださっていましたが
それも、できなくなってしまわれたのです。
一人暮らしを続ける意味
私たち介護関係者は、自宅で一人暮らしを続けるのは限界なのではないかと思い始めていました。
主治医からも、そろそろ入所先を探してはどうかと言われました。
そのころになると認知症の進行により、本人の意思の確認は難しくなっていました。
ここ2、3年は何度も入退院を繰り返しておられたのですが
入院中はいつも
「家に帰りたい」とずっと言い続けておられました。
意思の確認は難しいですが、本人の思いを汲み取ることができたのです。
その姿を見て、入院のたびに、子どもさん達は家に連れて帰る選択をされるのです。
自分たちで支援するのは難しいが、本人の意思を尊重したい。
本人の気持ちを大事にしたい。
しかし、一人暮らしを続けるのには限界がある。
安全に穏やかに自宅で過ごして頂くこと、それを目指して介護サービスを利用して頂き
医療とも連携して支援してきました。
一人暮らしを続ける意味は、本人の思いを大切にするためだったのです。
家族ができること
ご家族は実際に介護されることはなかったですが、緊急時に駆けつけてくださったり、介護サービスの調整の相談など、仕事が忙しかったり体調を悪くされてからも対応してくださいました。
そして何より、本人の思いを汲み取り、気持ちに寄り添うということをされていたと思います。
本人の「自宅で過ごしたい」という気持ちを大事にするために
自身の思いを上手く伝えられなくなった本人に代わって、自宅で生活することを選択してこられました。
しかし、今回の入院後は、自宅以外のところで生活することを選ばれたのです。
家族ができること、家族がしないといけないこと
それは、本人が意思疎通できなくなった際に、本人に代わって今後の生活について考え、決断することだと思いました。
家族としてできる支援を考える
今回は、長らく支援させて頂き、先日療養型病院へ入院された方について書かせて頂きました。
それぞれのご家族にはそれぞれの事情があり、介護が必要になった方の状態も様々です。
介護には正解がないと思います。
ただ、家族の介護のために、家族ができることが必ずあります。
仕事をしながらでも、介護ができる方法もあります!
無理をせず、介護が必要になった家族を支えるためにできることを
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投稿者プロフィール
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産業ケアマネ2級
仕事と介護の両立支援コンサルタント養成講座 1期卒業生
ケアマネージャー歴 10年
社会福祉士
介護福祉士
保育士
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